篠原一男の住宅
- sumaiinterior
- 2014年4月7日
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篠原一男は、東京工業大学建築学科で清家清に師事し、卒業後、同大学で教鞭を執る。
住宅を中心とする前衛的な建築作品を手掛け、磯崎新と並んでメタボリズムの後の日本建築界のリーダーと目され、1970年代以降の住宅建築デザイナーに多大な影響を与えている。
彼は、自身の著書で、「住宅は芸術である」と宣言している。「住宅は美しくなければいけない。…便利な使いやすさがあっても美しくない住宅よりも、私は、使いにくくても美しい住宅のほうがこれからの社会に価値があると確信している。」と言っている。
そのために、マスコミへの自身の作品の発表の仕方についてまで住宅設計の行為の範囲と考えていたようで、「学生が自身の設計した住宅の撮影をしたことを知ると、呼びだしてネガごと取り上げる」徹底ぶりである。
多くの住宅の設計した作品の中から選択するのは難しいが、特に有名な住宅「から笠の家」を紹介します。
「から笠の家」は、彼が設計した当時の中で一番小さい家(50㎡)であった。彼は、自身の著書の中で「住宅というのは広ければ広いほど良いので。…無駄な空間をつくらないければいけない。」と書いていて、この家を設計するのに、「正方形の平面、方形の屋根は前々作「狛江の家」のテーマの一つであったが、ここでは単純化と明確化が進められた。」「この《単純化》という作業の目的もこの《無駄な空間》を出現させるための重要な手段であった。」と言っている。彼の「大きな家と小さな家との間に不連続的な方法をとるべきでない」という主張の結果がこの住宅ではなかろうか。
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